ここち

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覆面作家企画5〜あとがき〜

『覆面作家企画5』企画サイトはこちら。

覆面作家企画5 後書きテンプレート使用
 言い訳色々。長くてごめん…。

■作者名

 桐生愛子

■サイト名&アドレス

 ここち亭(http://oct.opal.ne.jp/)

■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス

 B05 シキ、若しくは渇いた刑場
 http://maskwriter.web.fc2.com/5/sakuhinac/b05.htm

■ジャンル

 歴史風……?
 読み手の皆さんの感想に「歴史」というキーワードがあったので「歴史風」と言ってはみるものの、書き手としてジャンルの意識は特にない。「中国風(中華風)」ということも言われましたが、実際に「中国風」なのは登場人物の名前だけ……。(笑)カタカナ名前の登場人物が出てくるファンタジーをイギリス風とかフランス風とは言わないのに、なぜか中国風の名前を出すだけで物語自体が中国風になってしまう不思議!
 というわけで、ジャンルは……強いて言うなら、青春小説?(誤解を招く表現)

■あらすじ

 大逆の罪を犯した犯罪者として刑場に引き出される老人・清晶と執行人として刑場に踏み出す若き看守・明英の物語……とでも言うしかない。

■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。

 http://oct.opal.ne.jp/maskwriter5_1.htm

■推理をかわすための作戦は?

 第一回参加時に手がかりにされてあっさり正解されてしまった原因である鍵閉じ(」)の前に句点(。)を置く主義を一時的に捨てたこと。エディタで一括処理しただけなので、自サイト再掲時には元に戻します。たぶん。
 あと、作中、ダッシュに代えて長音記号が使われていたのは、完全なるミスです! ごめん、これはフェイクとかじゃない!(笑)
 どうしてこんなことになったか言い訳させて頂くと、私の執筆環境(ポメラ→Mac OS)におけるゴシック系フォントの表示特性ゆえに長音記号とダッシュの区別がついていなかっただけなんですー。恥ずかしながら今回初めて気付いたのですが、どうやらポメラは文字パレットを漁らないと全角ダッシュを呼び出せない仕様のようです。しかも、長音記号と減算記号とダッシュがいずれも区別しづらくて……ポメラで「ー」を打ち込んで変換候補として減算記号(マイナス)と長音記号が出て来た時、どちらがダッシュだろう? きっと長い方だな、と思ってずっと使っておりました。どっちも違うし!(泣)
 「ー」を打ち込んで変換してもダッシュが出て来ないとかひど過ぎる! じゃあ、どうやって出すんだ!? 「ダッシュ」でも出なかったぞ。さすがに毎回文字パレットから選ぶのは面倒過ぎるので、単語登録を設定しました。もう間違えないよ!
 「ー」の使い方についてご指摘くださった感想はいくつかあったものの、「ー」と「―」を区別できていなかった私は、根本的な問題が発生していることに長らく気付いていませんでした(何のことかと思ってた)。塩中吉里さんの明確な突っ込みでやっと状況を把握できました。うわーん、恥ずかしいようぅ。私も、こういうところでフェイクを仕掛けることについては否定的な立場です。もったいない、と思います、全く。でも、これはフェイクじゃなくて単なるミス……この方がある意味もっともったいないように思われます。(ずーん)
 余計な改行が入っていたこと(ちょうど私の執筆環境では画面右端で気付かなかった)も「ぅあ!」でしたが、「ーー」の方がミスかどうか判然としない点において重大です。結構本気で凹みました……本当に。
 まあ……こういう「うっかり」が多いのも、桐生らしさ? そんなの嫌過ぎる……!
 いやね、なーんか、字間に隙間があるなあとは思っていたと言うか、本当にちゃんとダッシュになっているのか心配はあったんですけれども……ゴシック系フォントだと分かり辛いんですよう(覆面サイトで自作読んでも気付かなかったなあ、ブラウザの標準フォントがゴシック系なのは自分で設定したんだったか)。提出前にプリントアウトして確認すべきところ、プリンタをPCから遠い場所に動かしてしまっていて色々面倒だったので、省略したのが間違いでした! 本当、不幸が重なった感じです。
 なお、なぜか作中最初のダッシュはきちんとダッシュになっているのですが、これはその部分を提出直前にPCで書き直したためと思われます。提出作品の後に書いたスープの話もちゃんとダッシュになってるものね。
 つまり全ての原因は……く、ポメラめ!(執筆途中でネットサーフィンに繰り出すリスクを低減してくれる有り難いツールではあるのだが)
 ……この度は、フェイクではない単なるミスで推理を混乱させていたようで申し訳ございませんでした!
 ちなみに、題材についてもフェイクと言われましたが、そんなつもりはまるでなく。ちょっと異質なものを書きたいという企みはありましたが、自分らしさを消すためではなく、企画の中で目立つため! です。でも、上には上がいた、と悟った。(笑)

■作品のネタを思いついたきっかけは?

 「色」というテーマを捻って使いたいと思い、色のない世界を描く(ファンタジーとしてではなく、作中に一切色彩表現を出さないで書く)ことを考えたのですが、まだ捻り足りない気がしたので、特定の(政治的)主張に基づくものを指していう「色が付いてる」(言うよね? 普通に)を使おうという辺りから。
 仏教用語としての色(シキ)。
 作中「赤」が重要なキーになっているようにも思われるものの、これは多義的解釈を可能とするための仕込みとして「赤」が必要だったからで、当初は特段「赤」をテーマとすることは考えていませんでした。共産主義っぽさが出そうで(実際、感想でご指摘も頂いた)他の色にしようかとも思ったのですが、赤じゃないと仕込めないし、まあ、ここはやっぱり赤ですよね! で、「赤」に。

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。

 書き隠すこと。
 できる限り淡々と書きたいと思っていました。第一回参加時に、参加作品の一言感想を書かれていた方から「また幽霊ものか」的な一言感想を頂いた記憶があり、中身に触れられずスルーされた感に打ちのめされたので、次に参加する時は簡単にスルーできないようなインパクトのあるものを、という企みはありました。それで、分かりやすく読みやすい作品……ではなく、読み手に考えることを強いるような作品を書こう、と。
 というわけで、色々と匂わしながら、しかしはっきり言い切らず、読後も「これはどういうことなんだろう? 何を意味しているのだろう?」と考えてもらえるようなものを……書こうとしたのですけれど!
 成功率は4割程度でしょうか。
 正直、書き手としてもぐるぐる考えながらの執筆で、提出ぎりぎりまで、細かい表現を削ったり加えたり、書き直したりしておりました。若干不安な点はあったのですが、実際、推理期間中に様々な感想を頂いて、まだまだだなあと反省しきりです。
 特に、新思想と政府の立場に絡む点は最後までうーんと悩んでいたところで、色々徹底できなかったな、と。もう少し詳しくという声も少なくありませんでしたが、どちらかというと私はもっと書き隠すことを徹底すべきだったと思っています。
 作中に、想像の扉を開く鍵、思索の扉を開く鍵をいくつも隠しましたが、「答え」はありません。それは読み手の方に用意して頂くもの、というのが今回の提出作品に関する作者の企み兼試みです。鍵の隠し方がへたくそだった点は大いに反省していますが、そういう意図で書いたものなので……。答えがないことがこの物語の答えです。
 何はともあれ、この欠点だらけの面倒臭そうな文章を丁寧に読み込んでくださった方がいたことは本当に嬉しく思います。94作品を一ヶ月と一週間で一気読み……という過酷な状況下では、面倒くささも一入だったことでしょう。
 にもかかわらず、「まさにそういう風に色々考えてほしかったんですー!」という読み方をしてくださった方がいっぱいいて、感動にむせび泣きそうでした。深読みしてくれる読者がいて初めて、この物語は物語として成立します。そして、完成した物語の姿は必ずしも一つではない。そういう風に作ったつもりです。
 結果として、物語それ自体にはある種の物足りなさや欠落感が発生したことは、作者の未熟さ故と反省しつつも、この物語の性質上、ある程度はやむを得ないものだったと考えています。
 色々な感想、解釈を頂きましたが、そのいずれもが正しいし、そのいずれもについて「そうではない可能性」があるのが今回の物語です。頂いた感想を読み比べていると、人によって真逆の解釈をされていたり、作者の想定を超えた解釈があったり、非常に面白かったです。ありがとうございました!
 もちろん、「そんな作者の意図知らんわ! もっとちゃんと書け!」って方もいらっしゃったと思いますが、それはそれで今後の精進のための参考データとして非常に貴重なご意見でもあり……。作者の試みは挫折しても、あの読むのがめんどくさそうな文章を気に入ってくださって、長編で読みたいなどとおっしゃってくれる方がいらっしゃったことは非常に光栄に思います。今回の提出作品の企みと試みの性質上、ご期待に応えることは難しいと思われますが、ああいう雰囲気の話に一定の需要があるということは分かったので、気が向いたら、またこういうものを書くこともあるかもしれません、いつか。
 というわけで、今回の提出作品は前述のような企みと試みの塊であり、基本的には素朴な感覚の上に成り立つものとして書いたものです。
 正直なところ、こういった物語を書くにあたって一つ懸念していたことは、新思想の内容についてその是非が問われることでした。その思想はおかしいとか、これが作者の政治的スタンスなのかといった話になると面倒くさいなあ、と(まて)。なので、新思想の内容については作者としてあまり考えていないのですが(真に読み手任せ)、面倒くさいことにならない程度にどこまで説明するか、そのギリギリのラインを探るのが最後まで腐心したところです。結果として、「もう少し綺麗なラインを引きたかった……!」と反省しているところでもあるのですが。
 なお、この物語における作者の意図を少しカッコよく述べるなら、「大切なものは目に見えない」という『星の王子様』(サン=テグジュペリ著)に出て来る言葉に繋がる素朴な発想がこの物語の中心近くを漂っている、ということだけでしょうか。そう、どなたかが感想で触れてくださった通り、この物語は書かれていないこと(読み手の解釈、すなわち読み手に考えてもらうこと)にこそ意味があるのです。
 ちなみに、サン=テグジュペリ……意気込みテンプレで最近読んだお勧め本として挙げたのが彼の著作『人間の土地』でした。これをヒントに推理した方はいらっしゃるでしょうか。私自身、決してヒントのつもりで挙げた書名ではないのですが。
 ……とまあ、少し偉そうに語ってみたのですが、実際、凡ミス多数で穴だらけ……自サイト再掲にあたって直したい部分もありますので、《ここち亭》再掲版はまた少し変わっているかもしれません。

■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。

 あったような気もしますが、あまり覚えていません。
 ああ、そういえば、「シキ」という単語を「四季」や「死期」との掛詞として使うことを一時考えていたような気がします。が、いつの間にか消えていて……どこにいったんだろう、あのアイディア。(笑)
 あと、作中に書き入れる予定は元々なかった話としての裏設定はないこともないですが、基本的に、それは読み手の方に考えて頂くもの、ということで執筆しています。答えの選択肢としていくつかの想定はありますが、それを語るのは野暮というものでしょう。
 答えのないことがこの物語の答えです。

 ……とは言うものの、鍵の解釈に戸惑われている方も多いようなので、作者が意図的に仕込んだ鍵の主なものについて、解説を用意しました。事実上のネタばらしですが、「推理期間」も終わったのでおまけとして楽しんで頂けるなら。読後、たっぷり考えた後にどうぞ。
 →「シキ、若しくは渇いた刑場」に隠された鍵について

■その作品の続編または長編化のご予定は?

 今のところございません。
 ただ、続編というわけではないですが、明英のキャラクターについては使い回したいエピソードの断片が脳内にあります。

■その作品で気に入っている箇所はどこですか?

 短い話の割に、書き入れたい一文はいくつかありました。
 「このことを、明英は囚人から没収した『清説』――清晶によって記された新思想の解説書――から学んだ。」という一文はもちろん、これに続く一塊はユーモア(であるということが読み手に伝わっているか怪しいが)も入れ込み、比較的満足な出来です。仕事中に閃きが来て、職場でこそこそっと書いたところなんですが。(笑)
 あと、最後の方、「外套がめくれる。」の部分は鍵を仕込んだ場所の一つで、わざわざ入れた部分。ここを気に入ってくれた方がいたのは非常に嬉しかったです。想定通り、解釈も分かれたようですし。
 「――清老師。」も、入れたかった台詞(?)ではあります。肝心なところでミスしてるんですけどね。(遠い目)ここで「老師」と呼ばせたかったのと、何となく作品の雰囲気的にも中国風がいいんじゃないかというテキトーな理由で登場人物名を中国風にし、結果的に「中国風」「中華風」と呼ばれる作品に仕上がりました。ただ、制度的にはむしろ日本を想定してて、西方方言の「老師」が「年上の師に対する尊称」なのは、中国が日本より西にあるからなんだよ(中国語で「老師(ラオシ)」は「先生」の意)、とか言ってみたり。(笑)

■推理期間中、褒められた点は?

 文体の硬さや重めの雰囲気を気に入ってくださった方が多いのかな、と思います。一部の方にとっては、逆に嫌われた要素かもしれませんが、それは概ね想定の範囲内ということで。
 これで6000字以内なのかというコメントも、文章の密度が高いという意味で褒め言葉かと勝手に解釈しておりますが、実際にはもっと少ない4000字程度という、ね。今回、字数制限に関しては苦労していません。あそこで終わらせることは早くから決まっていたことで。
 だからこそ、尻切れとんぼ、物足りない、断片的などと指摘された点は、決して字数制限のためではなく、作者の未熟さ故なのです。精進します。

■推理されてみて、いかがでしたか?

 当初、なかなか正しい推理をしてもらえず、「覆面作家企画は当ててもらってなんぼだ! 作家としてのオリジナリティ(その人らしいという意味での)を発揮せねば!」と思っていた私としては、少々残念……なはずだったのですが、皆さんが尽く推理を外される様子を見るにつれ、段々と楽しくなって参りまして、「……ふふふ。……ははは。……ひゃっひゃっひゃっ……ぅわっほーい!」という具合に心の中で大笑い……していたら、見事に鈴子さんに当てられて、調子に乗っていたことを深く反省しました。ごめんなさい。
 今回の提出作品と同じようなコンセプトで書いた(しかも第2回又は第3回の覆面作家企画に出そうとしていた)『帝国旗 〜青空に輝く希望の光〜』を参考に推理されたらすぐに分かるんじゃないかなあと思っていたところ、あまりにも皆様が外されるので、『帝国旗』は会話中心で全体の印象が軽いから必ずしもヒントにはならなかったか(そもそもこれを参考に推理した方が少ない?)と思っていたら、『帝国旗』をヒントに鈴子さんが当てられたので、ある意味、当初の読み通り。
 遍織さんのように、Bブロックの他の方を埋めた後に、『帝国旗』を読んだ上で推理すれば案外すんなりというところかと。悔しいが。(笑)
 後半、藍間真珠さんや曽野十瓜にも続々と正解され、これはきっと『帝国旗』を読んで推理した、という情報が広まったせいに違いない、と思っているのですが……皆さん自力で『帝国旗』を見つけ出されたのかしら。サイト内でも比較的プッシュしていた一作ではありますが。
 最近のサイト上の作品傾向はコメディ寄りだったので、外された方はそれに引きずられたのだと思います。
 まあ、そもそも、二度目の覆面作家企画参戦に当たって、特段、覆面を被ろうという意図はありませんでしたし。目指したところはあくまでも私らしく。願わくば、私にしか書けないものを……と、いう気合い(空回り気味)のみ。
 最近のコメディ路線ゆえ、提出作品はやや意外だったかもしれませんが、私、基本的に真面目ですから!(そこ、嘘っぽいとか言わない!)むしろ、サイト掲載のコメディの方が覆面を被っているようなものです、なんてね。
 当初は、意気込みテンプレでお勧めの推理材料として「帝国旗」を挙げるくらいの親切をしておけばよかったかと思いましたが、鈴子さんがそれで見事に正解されたので、余計なヒントを出さなかったのは正解だったと思います(ヒント出してたら全員正解だったかも)。
 ちなみに、「帝国旗」と「シキ、若しくは〜」の共通コンセプトは、「(組織・体制の中で)問いを抱えたまま生きている人間」です。たぶん。他の作品でもちょこっと顔を出しているテーマではあるのですが。
 しかし、再読してみると、やっぱり「帝国旗」の方が作品としての完成度が高いですね。(笑)第三回の締め切りを逃したのが残念でならない。
 「シキ、若しくは〜」をお気に召してくださった方は、ぜひ「帝国旗」もご覧ください。
 また、推理の根拠として「一文の短さ」を挙げられた方が複数いらっしゃったのですが、私の一文、短い? むしろ長い方かなあと思っていたのですが、最近、意識して短めに切るようにしてるからかな。提出作品は淡々を心掛けたので、短めなのは当然なのですが、普段からそうだったとは……。これはちょっと意外なポイントでしたが、最近のコメディ傾向を思うに、だらだら長い文章はリズムが悪くなるので自然に短文化しているのかもしれません。ジャンルによるかもしれないなあ。気が向いたら、検証してみようと思います。

■正解以外に、あなたの名前があがった作品はありましたか?

 「B01 ヘブンリー・ブルーはここにある」、「B02 アオの空」、「B04 ラッキーデイ」、「B07 月の海から」、「B08 色鬼」
 特に「B04 ラッキーデイ」と推理された方が多かったように思います。最近のサイト掲載作からコメディ書きと思われたようで。でも、私にあのわんにゃん愛は書けませんですよ、ええ!
 時々シュールなスパイスを加えつつも、基本的には真面目なテーマ設定をしているつもり……なんだけど、実のところ「両極端」なのかもしれません。どう考えても、スープに真面目なテーマとかなさそうだし(注:「冷めたスープ」)。

■あなたの作品の作者だと推理された方はいましたか?

 冬木洋子さん、麻生新奈さん、來さん、神希さん、梶東里さん
 光栄過ぎる!

■推理してみて、いかがでしたか?

 比較的簡単に「ああ、これはあの人っぽいな」と勘が働いたものもあれば(でも実はそれが間違っていたりして!・笑)、迷いに迷って明後日の方向へひた走る、的なものも。
 普段の作品傾向が幅広い方とか、全然ピンと来なくて。消去法を採ろうにも、数少ないお知り合いの方以外は一からサイトの作品を読まないといけないので、参考にした数作品の傾向に引っ張られて間違った方向に突き進んだり、全体的な雰囲気としての傾向まではなかなか掴み切れなくて……難しかった、本当に。
 気合いを入れて全作推理を試みれば、消去法も使ってもう少し簡単に推理できたのかもしれません。

■あなたの推理はどのくらいの正解率でしたか?

 14分の6(約42.8%)
 お知り合いの方中心、かつ、きちんと一つに絞って答えを出したもの限定ですが。元々自信のなかった推理はもちろん、自信を持って推理したとこもあっさり外してて凹んだ!(笑)

■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?

 楽しい! これは第一回参加時から分かっていたことだけれど。
 今回、ツイッター利用者が多くて、感想&推理も活発に出て来たのは本当に有り難かったです。
 私のつたない感想もどなたかの執筆の励みになっていれば幸いです。
 「改めて」気付いたことは、読み手の皆さんが悩みに悩みつつ推理を見事に「外される」様子を眺めることが日々の楽しみになっていた自分の性格の悪さ、でしょうか。(笑)
 覆面を被るのって楽しいものなんですね!
 次回以降、また覆面作家企画で書くことができるならば、私はぜひともまた、《私らしい》物語を書いてみたいと思います。
 ネジ子さんは、ご自身が次回を主催する予定はないとおっしゃっていましたが、これだけ盛り上がった楽しい企画。いずれまたどなたかが主催に手を挙げられることと信じています。万が一誰も手を挙げなかったら、その時は私が挙げちゃうんだから!(笑)

■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。

 これは難しい。非常に難しい。全部って言いたい。
 でも……「C04 首長竜、旅に出る」かな。漢字とかなの使い分け方とか、かな率高めゆえの柔らかさとか、作品全体の雰囲気がいいなあ、と。ほのぼの癒し系なんだけど、作者の個性がキラリとしている感じ。注目したい。
 「H12 perfume of mystery」。厳し目の感想を書いたような気がしないでもないけれど、それゆえにか、印象に残っている。あの終わり方だし。実は密かに私の創作熱を刺激して閃きをくれた一作。
 そして「B01 ヘブンリー・ブルーはここにある」。これこれこれ! って感じでした。同じブロックで、一番自分と感性が近いと思った作品。同人ネタでコメディしてるけど、決して奇を衒ってのものじゃないと私は思う。「これが好き!」って真っ直ぐな情熱にときめく。  「F04 ハートブレイク・ランニング」。感想短めになっちゃったけど、好きなお話。他の方の感想読むと、改めてプッシュしたくなる。(笑)
 「H02 Eve or Vandor」。フーガ的構成に感激した。
 一気に93作品も読んだので、最初の方に感想を書いたものとかパッと出て来ないものもあるのですが、改めて作品一覧を眺めていると、ああ、これも好きだった! これも良かった! これも……と際限なくなって来る。あれもこれも好きなんだよ! でも、それを挙げるならこれも挙げないわけには……するとあれも……というわけなので、渋々この辺で止めておく。ああ、でも、やっぱりあれも……。(笑)

■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。

 これもものすごく難しいのだけれど。
 「B01 ヘブンリー・ブルーはここにある」、「C01 天つ虫といとしき亡き月の王」、「D12 Redbook/Bluewitch」、「F02 覆面朗読会を始めましょう」、「F08 愛情木端微塵斬り、同情十把一絡げ」、「G12 星降る夜と僕ら」、「H03 さようなら、おじさま」、「H05 磐縒姫(いわよりひめ)」……きりがない!
 タイトル単体で見た時のインパクトはそれほどなくても、作品を読んだ後で改めてタイトルを見ると「おおっ!」ってものもあるよね。

■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。

 3つだけ? 3つだけなの? うあー、厳しい。
 上と重複して恐縮ですが……。
 「B01 ヘブンリー・ブルーはここにある」。作者の方の感性が自分に近いのでは、と勝手に思った。こういう話、私も書きたい。
 「C04 首長竜、旅に出る」。ほのぼのいい話、だけど、埋もれない。尊敬です。
 三つ目は、「全ての作品」で。
 正直なところ、どうしても「引っ掛かる」作品はありました。でも、そういう「引っ掛かる」作品は、どうして私はここで「引っ掛かる」んだろう、私が「引っ掛かる」ものは何なのだろう、と考えてしまい、自分の中で非常に重要な作品として印象に残っていたりするのです。好きな雰囲気ではない、好きなジャンルでもない、好きな文体でもない……でも何か気になる! というのは、充分「面白い」作品ですよね? これはすごいことだと思うのです。
 当初はそれほど印象が強くなかった作品でも、他の方の感想を読んで「いや、これの良さは……!」と全力プッシュしたくなっていたり、ね。(笑)ブログで書いた感想に、その辺の感動を盛り込み切れなかった(感想を書き上げた後で改めて考えたこともある)ことが残念ですが、本当に、全ての作品がすごかった、です。
 他の方の感想を見ての再感想とか、読み手としての総括は改めて雑記(ブログ)に書きたいなあとも思っています。

2011年10月9日



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