風紀委員の恋
あとがき
この作品は、とある少女漫画を読んで生じた疑問から出来ました。
ベースになった少女漫画はタイトルを忘れてしまいましたが、生徒会長に声を掛けるはずが間違って不良少年に告白してしまった女の子が、仕方なく不良少年の「彼女」をするうちにその不良少年を好きになるものの、主人公が本当に好きなのは生徒会長だということ知った不良少年が生徒会長との仲を取り持ってやろうとするが、既に主人公は不良少年のことが好きだと生徒会長を置いてきぼりにする話、なのです。(いくらか偏見が入った概要ですが)
で、置き去りにされる生徒会長が可哀相というのもあるのですが、主人公が不良少年と付き合い始めてから主人公に対して素っ気ない態度を取る生徒会長が、主人公は本当は自分のことを好きで、不良少年とは間違って付き合うことになったのだということを知り、ちょっと主人公に優しくしようとする……ので、「ちょっとずるくないか、こいつ?」と思ってしまったのですね。
漫画では生徒会長が主人公のことをどう思っていたのかよく分からないままだったので、何かもっときっとそう単純ではない思いがあるはずだ……というわけで、生徒会長を風紀委員長に変えて、こんなお話が出来ました。
久々の執筆、勢いで書き上げました。
もう少し丁寧に、晴香と高嶋が付き合い始めるところから始めて、高嶋の「良いところ」なんかを書くことも出来たような気はしますが、この物語はあくまでも委員長のもやもやした気持ちを書くことが目的なのだと言い訳して、書き直しを断念。エネルギーが尽きました。
ちなみに、タイトル「風紀委員長の恋」とせずに「風紀委員の恋」としたのは、主題が「晴香の恋が要にもたらした影響」にあり、「要の恋」を描いたわけではない、という作者の意図の反映です。
2010年4月25日