ここち

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ジェーン・エア――女神の息吹


(1)

あとがき

 覆面作家企画5に参加中、あまりにも楽しくて、次に覆面作家企画に参加するとしたらどんな作品を出そうかと考えていて(第一回参加時もやった、そしてできたのが『飛雄馬の苦悩』)、今回が文系っぽい話だったから、次回は理系にしてみようか。次回のお題は「風」とか有り得るかなあ、そしたら気象関係とかどうかなあ、地学だから一応、理系だし……というわけで、できたのがこのお話。書き上げてしまったら、いつまでも放置しておくのはもったいない! 覆面5で拙作をお気に召してくださった新たなお客様に提示する何か「まともな」話を用意せねば! という事情もあり、覆面6を待たずにサイト掲載です(第一回の時と同じパターン)。
 物語自体のテーマとしては、思春期の緊張感や不安感を描きたいなーというところがあり、あえて飛び立つシーンは描いておりません。風のシーンが書きたかったんですよね。ずっと吹き続けている風が。
 とは言え、後日談的なものも少し考えていて、おまけとして同時掲載できれば良かったのですが、諸々あって間に合わず。一つの物語としてはこれで完結には違いないのですが、気が向いたら「おまけ」も用意するかもしれません。
 ちなみに、お気付きかと思いますが、作中の「ジェーン・エア」と「嵐が丘」の名前は、ブロンテ姉妹の小説のタイトルから頂いております。まあ、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』は、「Jane Eyre」と綴る人名であり、私の『ジェーン・エア』は「Jane Air」と綴るはずなのですが。この語感がどうにも気に入ってしまって。
 本作中の「嵐が丘」は、当初「風の丘」とでもするつもりだったのですが、『ジェーン・エア』を頂くなら、ついでに『嵐が丘』も頂いちゃおうかなあ、という経緯で「嵐が丘」になりました。(いい加減)
 ついでに付け加えておくと、私、ついこの間まで『嵐が丘』(エミリー・ブロンテ著)の原題が『ジェーン・エア』だというようなとんでもない勘違いをしておりまして、更にはその映画版が『風と共に去りぬ』だっけ……? 的なひどい有様。(それぞれ全く違うお話です!)たぶん、風とかそういうタイトルの単語の雰囲気的なイメージによるのですが、こんな勘違いをするということは、もちろん『嵐が丘』も『ジェーン・エア』も読んでおりません。ええ、未だに。
 本作を書いて、これは読んでおかねばなるまいな、と書店まで出掛けはしたのですが、『嵐が丘』しか見付けることができなくて……。いや、『嵐が丘』だけでも買って読めば良かったのでしょうが、『嵐が丘』ってめちゃめちゃ分厚いんですよ! ……というわけで、いずれ『ジェーン・エア』を見付けて、それを読了したら、『嵐が丘』も読みたいな、と思っています。
 気象の話、ということで、作中、色々な気象用語を散りばめようと思っていたのですが、結局、あまり使いませんでした。意識的に取り入れたのは「夜のはじめ頃」くらいでしょうか。気象用語というより予報用語ですが。気象庁的には「18時頃から21時頃まで」を指すということです。

2011年10月9日


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