ここち

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彼はスープを愛してる


(1)

あとがき

 『冷めたスープ』について、御主人は「もしマーガレットがスープを作れなかったらどこを愛するのだろう」という感想を頂き、つい妄想が膨らんだ結果、書いてしまいました。
 「スープ」については、まさか続編を書くことになるなんて夢にも思っていなかったので、恐るべし、感想パワー!
 作中、必ずしも判然としていない奥様が突然「もうスープは作れない」と言い出した理由ですが、井戸端会議で「うちの主人はわたしのことを面倒な家事をやってくれる家政婦か何かと勘違いしてるんだわ!」という近所の奥様の愚痴を聞いて不安になったがゆえの純粋な愛情確認だった……のかもしれないし、「いい加減、料理くらいして欲しいわ。毎朝早起きしてスープを作らされる方の身にもなりなさいよ!」という苛立ちに端を発する御主人に料理をさせるための周到な作戦だった……のかもしれません。あるいは、別の……?
 なお、本作執筆に当たっての最大の悩みはタイトルでした。前作との繋がりを踏まえて『温かなスープ』にでもしたかったのですが、どう考えても「温かなスープ」の話ではないので、諦めました。
 他にも『御主人の愛したスープ』や『スープはもういない』などを考えていたのですが、前者は「スープ」の話じゃないし、後者は本作の構成上「いない」の表現が全く活きないのでボツに。執筆ファイルに仮に付けたタイトル(ファイル名)は『スープは消えた』でしたが、これもボツ。別にスープが「消えた」わけじゃないし。
 前作のネタバレになってはならないという至上命題もあり、大変悩んだタイトルですが、落ち着くところに落ち着いた感じです。まあ、彼が愛しているのは実はスープじゃないんですけどね!(笑)

2011年11月11日


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